技芸を継承する古法製香の世界
2025-05-06

 佟飛(とうひ)氏は朝陽市(ちょうようし)で活動する香芸師である。幼少期から伝統文化に親しみ、長年の研鑽と実践を経て、手作りの製香技術継承者に成長した。佟氏は、中国の香文化は五千年以上の歴史を有するという。文献記録では、我が国における最初の香炉は、朝陽市牛河梁の紅山文化時代に起源を持つとされている。

 香を愛する職人として、佟氏は伝統的な古法製香技術を守りつつ、天然素材を用いた調合香を製作している。近年では伝統文化普及のためのボランティア活動に注力し、自身の工房を一般開放して、篆香(てんこう)の体験授業を無償で提供している。この取り組みにより、多くの人々が中国の伝統文化の魅力に直接触れる機会に恵まれる。