中国遼寧省撫順市の市街地南西部に位置する西露天鉱ではかつて、至る所で粉じんが舞っていたが、今では再開発されて都市の中心部に隣接する緑豊かな美しい庭園になっている。石炭資源の枯渇により転換を迫られた同市は、グリーン(環境配慮型)かつスマート、より良く、より美しい都市へと見事な変貌を遂げた。
西露天鉱は1901年に開坑し、新中国成立以来、累計2億8千万トンの石炭と5億3千万トンのオイルシェールを生産してきた。しかし、そのために坑口面積10平方キロを超える鉱坑が残された。2019年6月、同露天鉱は正式に採掘を終了し、閉鎖された。その後は環境修復を進め、新たな都市景観が形成されていった。
地元で生態修復事業などを手がける遼寧西露天生態環境工程の肖平(しょう・へい)董事長によると、西露天鉱坑とその周辺地域の環境はここ数年、効果的に回復しているという。これまでに合計407万本の苗木が植えられ、再緑化面積は鉱坑総面積の7割以上に当たる1万2240ムー(816ヘクタール)に達している。
撫順鉱区の西捨場で実施中の340メガワット太陽光発電プロジェクトの現場では、数千ムー(1ムー=約667平方メートル)の土地にどこまでも太陽光パネルの列が続いている。撫順鉱業集団は、産業廃棄物処理場を整備してメガワット級の太陽光発電設備を持つ新エネルギー産業パークに変え、過去の環境債務をグリーン資産に転換させた。このプロジェクトの年平均発電量は約4億4千万キロワット時に達し、標準炭換算で毎年約14万トンの石炭消費を節約し、二酸化炭素(CO2)排出量を36万トン削減できる。
撫順鉱業集団西捨場太陽光発電プロジェクトの担当者は、「将来的には、太陽光発電と農業生産を組み合わせることで、クリーンエネルギーを確保し、さらに一つの土地を二重に活用することが可能になる」と述べた。プロジェクト完成後は、農業と太陽光発電の相互補完方式を採用して土地を総合的に利用し、上部では太陽光パネルを設置して発電を行い、その下に作物を植えることで、土地の力と生態環境保全機能、収益性それぞれの最大化を図るという。