日本人居留民「葫蘆島大遣返」 善意で支えた中国住民
ソース: 愛遼寧
2025-09-23

 中国遼寧省葫蘆島(ころとう)市竜港区の島里社区西山に、「大遣返記念碑」が立つ。正面には青字で「日本僑俘遣返之地」と刻まれ、上部には送還された日本人居留民や戦争捕虜の人数「105万1047人」と期間「1946―1948年」が記されている。

 1946年5月から48年9月まで、中国は東北地方に残っていた日本人居留民や戦争捕虜を葫蘆島に集め、順次本国へ帰国させた。105万人超が船で送り返され、この出来事は「葫蘆島大遣返」と呼ばれる。

 中国は多くの人員や物資、資金を投入し、鉄道車両1万3441両を用意した。米軍が接収した日本の大型船や米第6艦隊の輸送艦120隻余りが、延べ800回以上の航行で各船は1000~2000人を運んだ。

 帰国を待つ間、多くの日本人居留民が葫蘆島に滞在したが、地元住民は恨みを抱かずに支援し、食料などを提供した。100万人を超える人々が無私の世話を受け、帰国後、多くの日本人が葫蘆島を「再生の地」と呼んだ。

 抗日戦争史を研究する地元学者の張愷新(ちょう・がいしん)氏は「九・一八事変(柳条湖事件)は日本帝国主義の侵略の始まりを示したが、『葫蘆島大遣返』は侵略者の結末を示すと同時に、中国人民の善良さと寛大さを浮き彫りにしている」と語った。