遼寧の冬季スポーツ、「第15回全国冬季競技大会」を追い風に飛躍
ソース: 愛遼寧
2025-11-05

 国際スキー連盟(FIS)ワールドカップ大会が初めて瀋陽・東北アジア国際スキー場に開催されることにより、遼寧省の冬季スポーツは歴史的ブレイクスルーを迎えた。2028年開催予定の第15回全国冬季競技大会(十五冬)の準備を契機に、遼寧省は2025-2026シーズンに125件の冬季スポーツイベントを開催する。うち初導入となる「FISスノーボードクロスワールドカップ」は、遼寧の冬季スポーツが世界へ躍進する重要な窓口となり、同省の冬季スポーツ及び文化・スポーツ・観光の融合を新段階へと導く。

 国際大会初開催が示す「十五冬」準備の実力

 2026年1月16日から19日にかけ、「2025-2026シーズン FISスノーボードクロスワールドカップ」が瀋陽・東北アジア国際スキー場で開催される。FIS年間トップ大会の一つとして、今回は19の国と地域から約180名のトップアスリートが参加。遼寧省が冬季種目での国際大会を主催するのも今回が初となる。

 「本大会の開催権を獲得できた主な要因は、『十五冬』準備を通じた施設のアップグレードと運営能力の向上にある」と、遼寧省準備委員会顧問で国家体育総局冬季スポーツ管理中心元主任の趙英剛氏は説明する。遼寧省は全国冬季競技大会の開催準備を機に国際基準を見据え、冬季スポーツ施設の整備を推進。瀋陽・王家湾氷上競技センターや撫順・龍崗山雪上競技センターなどの重点施設が急速に整備され、瀋陽・東北アジア国際スキー場をはじめとする既存施設もグレードアップしたことで、高水準の国際大会を開催できるだけのハード面での実力を備えた。

 遼寧省冬季スポーツ管理中心の佘宇主任は、「今回の国際大会主催は、単に遼寧の冬季大会運営能力が試される場というだけでなく、『十五冬』に向けた専門人材の育成や運営ノウハウの蓄積につながる」と意義を強調。「FISとの深い連携を通じ、競技運営や審判業務などの能力を飛躍的に高め、『十五冬』の準備作業をより国際的な視野で進めていける」と語る。

 百を超える大会が連携、全民で冬季スポーツの宴を共有

 初の国際トップ大会開催に加え、今冬の遼寧では冬季スポーツの見所が目白押しだ。2025-2026シーズン中、省全体で125件の冬季スポーツイベントが開催される見込み。内訳は国際大会1件、国家級15件、省級45件、市級以下64件に上り、大会は省全体をカバーしシーズンを通じて行われ、延べ50万人近くが直接参加すると見られる。

 プロ競技の面では、全国スノーボードクロス選手権や全国フリースタイルスキークロス選手権など国家級大会4件を引き受け、「十五冬」に向けた競技運営や審判育成の基盤を固める。青少年向け大会も見所が多い。第2回遼寧省青少年冬季競技大会では10以上の専門種目が実施され、約1000人の若手アスリートの参加を見込む。このほか、省体育局はスピードスケートやアルペンスキーなどの招待競技会や有望人材発掘競技会を展開し、遼寧の冬季スポーツにおける人材の裾野をさらに強化する。

 一般向けイベントでは、「全国大衆冰雪シーズン(遼寧会場)」や「全国民俗冰雪スポーツ大会開幕式」など国家級イベント11件と、「第7回遼寧省全民冰雪スポーツ大会」、「遼寧省百万人市民冰雪運動」、「遼寧省大衆スキーチャレンジ」、「遼寧省田園冰雪運動会」など省級イベント12件が相互に響き合い、遼寧の特色を存分に発揮する。

 冬季スポーツを舞台に、文化・スポーツ・観光の融合が主役に

 競技大会を媒介に、観光産業が花を添える。今冬の遼寧冬季シーズンは「競技+観光」を道筋とし、冬季スポーツと文化、観光、温泉、民俗などの要素を深く融合させ、「冷たい資源」を「熱い経済」に転換する。これはまさに、遼寧が「十五冬」を開催する大きな目標——競技大会が産業発展を牽引し、スポーツが地域の活力を呼び覚ます——そのものだ。

 「近年、ウィンタースポーツ観光や消費がますます活気づき、年々盛況になっている」と、遼寧省冬季スポーツ協会会長で遼陽・弓長嶺温泉スキー場の崔恩偉董事長は直言する。遼寧の冬季スポーツイベントはすでに観光消費の重要なエンジンとなった。イベントを先導役に、「スキー+温泉」「スキー+民俗」「スキー+研修旅行」など複数の特色あるコースが人気を集める。「当スキー場の年間来場者数は増加している。今年は複数の省級大会を引き受けるとともに、市民へ手頃なスキープランを提供し、より多くの人に冬季スポーツに親しんでほしい」。

 遼寧の冬季スポーツの急速な発展に対し、趙英剛氏は心底から喜びを感じている。「遼寧は冬季スポーツ資源に恵まれ、大いに発展させ、急速に成長させるべきだ。現在、『十五冬』の準備や国際大会の主催を通じ、遼寧は『競技大会が先導し、大众活動が普及を図り、文化・観光融合が活力を付与する』という発展構造を構築しつつある」。データが示すように、冬季スポーツ競技大会と観光産業の深い融合に伴い、遼寧の冬季スポーツ経済規模は持続的に拡大。スキー場や雪遊び場などの施設利用者数は年々増加し、関連する消費チェーンも絶えず延伸している。

 今冬のシーズンが目前に迫る中、国際大会の初開催、百を超えるイベントへの全民参加、文化・スポーツ・観光の融合による相乗効果が、遼寧の冬季スポーツの発展ビジョンを共に描き出している。省体育局関係責任者は、「遼寧省は今冬季を契機に、『3億人が冬季スポーツに参加する』という成果を固め、大会準備を通じてインフラ水準を向上させ、全民参加を通じてスポーツ気風を育み、冬季スポーツを遼寧の高品質な発展を象徴する新たな名刺とし、『十五冬』の成功開催に向けた力を蓄えていく」と述べている。