最近、サンザシなどを飴がけにした中国の伝統菓子「糖葫蘆(タンフールー)」に「奶皮子(ナイピーズ、牛乳を加熱してできる表面の膜)」を組み合わせた異色コラボ「ナイピーズ・タンフールー」が中国で人気を集めている。奶皮子とサンザシ、表面を覆う飴のパリパリした食感のハーモニーが、若者たちの心を鷲掴みにしている。この2025年限定の味を食べるためには、列に並ばなければならないことも少なくないという。中央テレビニュースが伝えた。

「ナイピーズ・タンフールー」という名で売られている糖葫蘆で最もよく見られるのは、従来の糖葫蘆に奶皮子が添えられて、飴がけになっているタイプだ。また半分に切り込みを入れたサンザシに奶皮子を挟んでいるタイプ、さらにはサンザシの代わりにシャインマスカットやイチゴ、イチジクやジャックフルーツ(パラミツ)、ドリアンを使い、それらでヨーグルトを挟み、最後に奶皮子を添えるという斬新なタイプもあり、ネット上で人気の食材がほぼ勢揃いしている。

中国の北方エリアでは秋から冬にかけて、糖葫蘆が食べられる。そしてその歴史は数千年を誇る。甘酸っぱいサンザシを、麦芽糖で飴掛けして作った糖葫蘆は、パリッとした飴をかじると、その甘さとサンザシの酸っぱさのハーモニーが口の中に広がる。
また奶皮子は内蒙古(内モンゴル)自治区出身の人々にとって、子供の頃の思い出が詰まった食べ物と言える。搾りたての牛乳を沸騰させていき、表面にできる膜が奶皮子と呼ばれるものだ。少しずつ気温が下がっていく今の時期に、ミルクティーを作り、奶皮子を入れて飲めば、秋の深まりを感じることができる。
列に並んででも「ナイピーズ・タンフールー」を食べたいと思う人が多いのは、そうすることで、その瞬間にある幸せを味わいたいほか、今まで食べたことのない斬新な味わいをひと口試してみたいからだろう。普段の生活におけるちょっとした体験が、セレモニー感を感じさせる要素となっているのだ。

販売されているほとんどの「ナイピーズ・タンフールー」の値段は15元から25元(1元は約21.5円)であるものの、一部の人気店ではなんと98元もする商品も売られている。しかしその人気は衰えていないという。ある事業者は、一番よく売れた日で数千本売れたとしている。

一方で、東南大学附属中大病院・内分泌科の主任医師、臨床栄養科の主任である金暉氏は、「ネット上で人気となっている『ナイピーズ・タンフールー』は、食べるのに適していない人もいる。高コレステロール血症や血糖値が高い人、肥満、メタボリックシンドロームの人、体重を厳しく管理しなければならない人、乳糖不耐症、乳製品アレルギーの人は食べるのに適していない。ただ普段からよく運動をしていて、健康で、コレステロールや心血管などに異常がない人が適量食べるのは特に問題ない」と注意を促している。