遼寧で体験する「動く」国宝級古絵画
2025-04-15

 『瑞鶴図』『洛神賦図』『虢国夫人遊春図』といった国宝級書画作品が、遼寧省博物館で常時鑑賞できるようになった。  

 「唐宋風華――デジタル画境の芸術世界」展の会場では、光・音響・デジタル技術を駆使し、長い歴史を経た貴重な作品が動態化され、観客を深い美の世界へと誘う。千年の時を超えた筆墨の精神が、先端技術によって新たな命を吹き込まれる様は特筆すべきものである。  

 遼寧省博物館の書画コレクションは国内でも屈指の稀少性を誇るが、保存上の制約から常設展示は叶わぬ夢であった。本展覧会はこの課題を克服し、観客が至近距離で筆致の妙を鑑賞するのみならず、デジタル技術が生み出す動的表現によって作品世界に没入し、「画中人」となる革新的な体験を楽しめる。  

 全10区域で構成される本展は、同館所蔵の国宝級唐宋絵画『洛神賦図』『虢国夫人遊春図』『秋窓読易図』『簪花仕女図』『夏景山口待渡図』『瑞鶴図』を基軸に、ホログラム投影・仮想現実(VR)・拡張現実(AR)・没入型演劇等の技術を融合。唐宋時代の絢爛たる文化景観を再構築し、観客は時空を超えた臨場感のうちに、科技と伝統の融合が生む独特の美意識を堪能できるのである。